没後約半世紀も経っているのに建築界の巨匠フランク・ロイド・ライトの住宅デザインは未だに日本では人気がありますね。彼のデザインが日本人に愛されているのはどこか日本の風土にしっくりなじむ処があるからでしょう。

それも不思議ではありません。彼はシカゴ万博で展示された日本館鳳凰殿に感銘を受け、ビクトリアン・スタイル全盛期の１９００年代初頭、アメリカに木造日本家屋の開放性を取り入れた明るくて風通しのよい新スタイルの住宅を生み出したのですから。プレーリー・ハウスと呼ばれる住宅の誕生です。

ライト風の住宅を建てたいと思っていらっしゃる方には（株）住まいの友和のヴィンテージクラフト住宅展示場を見学なさることをお勧めします。
「もしフランク・ロイド・ライトが現代日本に生きていたら」
「フランク・ロイド・ライトが生きていて、現代の日本において住まいをデザインしたら」をコンセプトに、フランク・ロイド・ライトの設計思想を受継いだ、ジョン・ラッタンバリーをはじめとする建築家が建築コンセプトからデザイン詳細に至るまでを作り上げました。フランク・ロイド・ライト財団とのライセンス許諾契約を基に展開する住宅シリーズがオーガニックハウスです。ヴィンテージクラフトはオーガニックハウスによるサブライセンスの元、株式会社住まいの友和が立ち上げたブランドネームになります。

ＪＲ線三鷹駅から徒歩８分ほどにある武蔵野ハウジングスクエアの一画にモデルハウスは建っています。私が見学した時は夕方遅くでしたのでモデルハウスは優しい間接照明のライトに照らされ心地よいぬくもりにつつまれていました。私が気に入った部屋は壁面がカーブを描いている書斎です。この書斎で音楽を聞きながら読書してみたいものですね。

オープンキッチンのカウンター

キッチンもオープンになっていて使い勝手がよさそうです。残念だったのはキッチン手前のお食事をするスペースに置いてあるテーブルと椅子。ライトは自分の設計した家にふさわしい家具もデザインしましたのでライト風の食卓と椅子にしたのでしょうが、これは似て非なる物と私には見え ました。木のぬくもりが感じられる美しい デザインの家具なら他にもっとふさわしい物があるはずと思います。

ライトの設計は他のデザインも受け入れられる許容性、普遍性があると私は思います。

居間にはエリア・ラグが欲しいですね。ライト風の柄もいいでしょうが、もっと自由にモダンなエリア・ラグを選んでみたい気がします。ライトの家具にこだわり過ぎるより自由に自分の感性で選ぶ方が楽しいですから。このモデルハウスはそんな新しい自分のライトをアレンジしたくなる住宅ですよ。